筋・筋膜性腰痛とは、腰の筋肉や筋膜に過度な負担がかかり生じる腰痛のことを指します。
レントゲンやMRIなどの画像検査では大きな異常が見つからないことが多く、原因不明と診断されるケースもあります。
しかし、実際には筋肉の緊張や筋膜の滑走不全が起きており、それが痛みの原因になっています。
筋肉は本来、収縮と弛緩を繰り返しながら血流を保ち、柔軟に動く構造をしています。しかし長時間の同じ姿勢や過度なストレス、急な動作などによって筋肉が緊張し続けると、血流が低下し疲労物質や痛み物質が蓄積します。
その結果、腰の重だるさや動かしたときの痛み、張り感などの症状が出現します。
筋・筋膜性腰痛は、単発で起こることもありますが、実際には他の症状と併発しているケースが非常に多くみられます。
例えば椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患がある場合に、周囲の筋肉が過剰に緊張することで筋・筋膜性腰痛もともに併発していることがあります。
筋・筋膜性腰痛は、特別な外傷がなくても日常生活の習慣によって起こりやすい腰痛です。
特に多いのは、運動不足の方です。
筋肉は使われることで柔軟性や血流を保ちますが、運動量が少ないと筋肉が硬くなり、少しの負担でも痛みが出やすくなります。
また長時間同じ姿勢で過ごす人も注意が必要です。
デスクワークや車の運転などで長時間座り続けると、腰や背中の筋肉が常に緊張した状態になります。
この状態が続くことで筋肉の血流が低下し、疲労物質が蓄積して腰痛につながります。
さらに精神的に緊張しやすい人も、筋・筋膜性腰痛になりやすい傾向があり、ストレスや不安を感じていると、無意識に身体に力が入り、筋肉が緊張しやすくなります。
その結果、首や肩だけでなく腰の筋肉にも緊張が広がり、慢性的な腰の張りや痛みとして現れることがあります。
当院では、筋・筋膜性腰痛に対して筋肉と筋膜の状態を整える治療を行っています。
まず筋肉の過度な緊張を和らげるために、マッサージによって血流を改善し硬くなった筋肉を緩めていきます。
疼痛の出ている筋肉以外の周辺の筋肉までアプローチし、全体のバランスが良くなるように施術いたします。
筋肉の緊張が強い場合や、深部の筋肉に原因がある場合には鍼治療を行うこともあります。
特に鍼治療は深い部分の筋肉に直接アプローチすることができるため、慢性的な筋緊張やトリガーポイントの改善に効果的です。
また痛みを一時的に取り除くだけでなく、再発しにくい身体をつくることも必要なので、当院ではエクササイズ指導も行い、腰や股関節、体幹の筋肉を適切に動かせるようにリハビリテーションもおこなっております。
筋肉の柔軟性や筋力を回復させることで、日常生活の中で腰に過度な負担がかからない身体づくりを目指します。
筋・筋膜性腰痛の予防で最も大切なのは、筋肉をしっかり動かすことです。
日常生活の中では、実は筋肉を動かしている範囲が非常に狭くなりがちで、例えば歩く・座る・立つといった動作は行っていても、関節を大きく動かしたり、筋肉を大きく伸ばしたりする動作は意外と少ないものです。
そのため意識的に身体を大きく動かすことが重要になります。
ストレッチや体操、軽いトレーニングなどで筋肉を大きく動かすことで血流が改善、筋肉や筋膜同士の滑走が良くなり、痛み物質や疲労物質が排出されやすくなります。
結果として、古くなった筋細胞の代謝も促され、筋肉の柔軟性が保たれることで、腰痛が起こりにくい状態を維持することができます。
腰痛は「痛くなってから治す」だけでなく、「痛くならない身体をつくる」ことがとても大切です。
日常生活の中に身体を大きく動かす習慣を取り入れ、筋肉をしっかり使うことが腰痛予防の第一歩になります。