変形性腰椎症とは、加齢や長年の負担によって腰の骨や椎間板、関節が少しずつ変化していく状態で、さらに年齢とともに椎間板の水分が減り、クッション性が低下します。
すると骨と骨の間隔が狭くなり、骨の縁に骨棘と呼ばれる突起ができたり、関節が厚くなったりします。
この変化自体は珍しいものではなく、ある程度年齢を重ねれば多くの方に見られます。
レントゲンで「変形がありますね」と言われると不安になりますが、実は変形があっても痛みがない人もたくさんいるので、大切なことは画像所見よりも今の身体の状態や症状がどのように出ているかが重要です。
長く立っているとつらい、座り続けると重だるい、朝起きたときに固まっている感じがする、といった症状で、多くは慢性的な腰の痛みです。
急に激痛が走るというよりは、なんとなく不調が続く、疲れが抜けないという感覚に近いことが多いです。
進行すると、臀部や太ももにしびれや違和感が出ることもありますが、症状には波があり良い日もあれば悪い日もあります。
その波に振り回されて不安になる方も少なくありません。
骨が変形しているから痛い、と単純には言い切れないのが実際で、関節の動きの悪さや筋肉の過緊張が痛みに大きく関わっています。
腰の動きが硬くなると、股関節や背中が代わりに頑張り過ぎてしまい、その結果として筋肉が過度に緊張、血流が悪くなり、腰周囲のさらなる慢性痛へとつながります。
特に深層筋の働きが弱くなると、表面の筋肉ばかりが酷使されるので、その辺りをどう立て直すかが、改善のポイントになります。
筋肉の緊張と腰の痛みの負のサイクルを断つことが重要です。
当院での治療は緊張した筋肉へのマッサージや鍼治療をおこなう保存療法で、疼痛や炎症、過緊張を落ち着かせます。
筋肉の緊張を短期間でもリセットすることが大事です。
そのうえで、動かせる関節は少しずつ動かしていくことが重要で、そのためにも早期のエクササイズ指導も行っております。
安静にし過ぎると、かえって筋力が落ちてしまう問題があるためです。
とくに股関節や胸椎、肩甲骨の動きを改善し、腰に集中している負担を分散させ、さらに体幹の安定性を高めるトレーニングを取り入れることで、腰を支える力が回復していきます。
変形そのものを完全になくすことはできませんが、痛みをコントロールしながら快適に生活することは十分可能です。
ポイントは日常生活の積み重ねにあります。
長時間同じ姿勢を避けること、股関節から動く意識を持つこと、そして運動を継続することなど、特別なことをするよりも、地道な習慣が良い結果をつくります。
さらに疼痛になる前の段階でマッサージや鍼治療を行い過度の筋緊張を抑えることも悪化を防ぐためには重要です。
加齢による構造の変化に負けずに、機能を高めていくような活動ができるかどうかが、その後の腰の状態を大きく左右します。